訪問歯科医えるさの日記

フリーランス訪問歯科医が診療していて気づいたことを書いています。

【おると@整形外科医さんと比較】フリーランスで働く上で注意すべきこと〜歯科医師編〜

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今回はフリーランス歯科医師として働いている私の経験を踏まえ、フリーランス医師おると@整形外科医さんの記事を引用しつつ、歯科医師の場合に気をつけるべきと感じたポイントを挙げていきます。

 

引用させていただいたのは以下の記事です↓

free-doc.hatenablog.com

 

 

無茶な勤務のを組み方をしない

これは本当に同感です。

 

そもそも私の場合、大学で無給医をしていた頃のシフトは

大学:週3〜4日、外勤:週2〜3日

の計週6勤務でした。

歯科業界で大学で働いている人にとって週6勤務はデフォルトなのですが、体力のない私にとってはこれが非常に辛かったです。

平日に大学から家に帰るのは平均9時くらい、土曜の外勤も早く終わるものの家に着くのは7時くらいとなると、洗濯をするのもギリギリな状況でした。

当時は片付けもできず、私の部屋は荒れ放題でした(笑)

一人暮らしをしている大学院生の同期などは帰るのがもっと遅く、仕事も私より多いので、これよりきつい生活を4年も続けているのは本当にすごいと尊敬します。

 

私がフリーになろうと思ったのは、体力のない自分に合わせたシフトで働きたいというのが一つの理由でした。

なので、体力に自信がある方にとっては緩めのシフトかもしれませんが、現在は週4.5〜5.5勤務です(隔週のバイトを0.5と換算)。

 

個人的に一番共感したのはこの一文。

 

休暇にバイトは入れるのは楽だが、バイトを休暇にするのは困難

フリーランスとして医師が働き始める上で絶対に注意すべきポイント7つ - フリドク 〜フリーランスの医師が医師転職・非常勤やスポットバイト・フリーランス・医師転職サイトについて考えるブログ〜

基本的に医師も歯科医師も代わりを見つけるのが大変なので、仕事→休暇の変更はフリーランスとして働くには難しいと考えておきましょう。

社会人として当たり前ではありますが、普段自由に働かせていただいている分、職場に対しては責任を持って、学会以外で自分都合で休むことは基本的にしないようにしています。

 

歯科医師はスポット勤務のバイト案件が非常に少ないので、休暇→仕事も確かに難しいのですが、体力の限界ギリギリを攻めて体調を崩した時に、勤務先が多いとその分代打を見つけるのも難しいです。

私はまだフリーランスとして働き出して2年目で、今のところ休まなければならないほど体調を崩したことはありませんが、やはり「体調を崩せない」というプレッシャーはあります。

フリーになって自分の体力的に無理のない範囲で働いていることが体調をキープできている理由だと思います。

 

おるとさんも言及されていますが、フリーランスだと長期休暇を取りにくいので旅行に行きたくても予定を組むのに苦労します。

旅行が趣味の私の場合、自分の夏季休暇の日程は数ヶ月前にカレンダーとにらめっこしてパズルのピースをはめるように予定を組みます(笑)

  • 体調を崩して職場を休まなければならない状況を避ける
  • プライベートの時間を確保する

以上2点から、仕事の予定は詰めすぎないことを私はオススメします。

 

自宅から遠い非常勤バイトばかり選ばない

ブログの見出しが原文ままになってばかりで申し訳ないのですが、この段落に関してはもはや付け加えることもないくらい、そのまま読んでいただきたいです。

 

私の職場は6ヶ所ありますが、その通勤時間はドアtoドアで

Aクリニック:1時間10分

Bクリニック:1時間20分

Cクリニック(隔週):1時間25分

Dクリニック:1時間20分

Eクリニック(隔週):15分

大学:50分

 

と、軒並み1時間超えです。

 

首都圏の人にとって、通勤1時間はそこまで驚く時間ではないと思いますが、中学時代から電車で50分近くかけて通学していた私でも、1時間の壁は厚いです…

1ヶ所だけならそこまで辛くないと思うのですが、ほとんどの職場が通勤1時間以上となると、働き始めた頃はそこまで感じませんでしたが、徐々にその長さをしんどく感じ始めます。

通勤15分の職場が神に思えます(笑)

 

大学で働いていた時は疲れる1番の原因は勤務時間が長いことだと思っていましたが、たとえ座れても単に電車に乗っているだけで、1時間以上の通勤は体に負担になるのだと学びました…

 

現在はその通勤時間を少しでも有効活用しようと、ブログを書いたり睡眠時間に充てたりしています。

 

雇用契約書について

この項目に関しては医師と歯科医師だと少し事情が違うと感じました。

 

私は歯科医師としてはかなり特殊だと思いますが、医科の訪問専門のクリニックでも嚥下のドクターとして勤務しています。

医科のクリニックに行って最初に雇用条件が書かれた紙を提示され、雇用契約書にサインを求められましたが、今まで大学生時代の助手バイトを含め歯科のクリニックでばかり働いてきた私はそんな経験はありませんでしたので、内心驚いたというか、きちんとしているなと感心しました。

印鑑なんて当然持って行きませんでしたから、事務の人に苦笑されてしまいました…(笑)

 

私の職場は全て大学の医局関連で紹介されたバイト先なので、雇用契約書がなくとも非情な扱いを受けることはまずありませんが、今まで助手バイト含め6ヶ所の歯科クリニックで働いてきた私の経験では、ドクターを雇う際に雇用契約書を作成しているクリニックの方が少ないと思います。

見学に行ったらその場で「いつから働く?」と聞かれて翌週から勤務開始、というパターンが多いのではないかと…

 

医師は病院での勤務が主であることが多いですが、歯科医師は個人経営のクリニックでの勤務が多いため、雇用契約書にサインするという社会的な常識を知らぬまま開業している先生が今でもかなり多いと思います。

 

歯科業界のそのような文化をすぐに変えることは難しいと思いますので、雇用契約書を求めることは難しいと思います。

そのような行動を取ることで警戒されるリスクの方が高いです。。(書いていて個人的にはこの文化自体がまずいと思いますが)

 

知人からの紹介ではなく、グッピーなどの求人サイトで個人的に探した職場の場合、明らかに不当な扱いだと感じた場合は辞めて別の職場を探すのが結局のところ一番手っ取り早く、自分に降りかかる不利益が一番少ないと考えます。

本当はこのような文化が是正されるのが筋だとは思いますが。

 

医局との関わりは大切にする

以前の記事(私が大学を辞めてフリーランスになった理由 - 訪問歯科医えるさの日記)でも書きましたが、大学という職場が自分に合わないと感じたこともフリーランスになろうと思った理由でした。

それでも「医局に所属していた」という経歴は歯科医師として一生残りますし、それは自分にとってプラスになります。

おるとさんも書かれていますが、医局を辞めても学会で顔を合わせたり、辞めた医局から患者を紹介される・するという関係は続きます。

そもそも歯科医師として知り合いが多いというのは悩みを相談できる相手がいる、自分では対処できない患者を受けてくれる人がいるかもしれない、などプラス面が大きいと思います。

私の場合、歯科医師としての知り合いの8割は医局関連ですので、その存在はとても大切です。というか、医局に入って得たメリットは「知識と人脈」と言い切ってもいいくらいです。

 

「立つ鳥跡を濁さず」と言いますが、後腐れなく辞めることが自分のためであることは間違いありません。

 

 

 

おるとさんの記事がかなりまとまっていて、もはや私なんぞが付け入る隙もないのですが(汗)、歯科医師である私が実際に感じたことを言葉にすること、歯科医師だと微妙に違う部分もあるのでその点を説明することが大事ではないかと思ったので記事にしました。

 

最近は私の周りでもフリーで働いている人が増えていて、個人的には嬉しいです。

歯科医師に限らず、個人個人が自分に合った働き方を自由に選べる世の中になるといいなと思います。